エアコン暖房についての記事に多くの反響をいただきました。
「200Vのエアコンを付けた部屋だけはエアコン暖房で過ごせるけど、100Vのエアコンの暖房は全然ダメなんです。」(「PN家電大好きっ子」さん)
「我が家は窓を二重にしたけど、エアコンだけでは寒くて無理…断熱リフォームってのが必要なのかなぁ~?」
冬のエアコン暖房について、もう少し掘り下げたいと思います。
まずは、エアコン暖房を水槽に例えてみます。
①「雨漏り・水漏れ」はすぐに直すけど、「熱漏れ」は放置? 水槽に例えると…

「空調」は字のごとく、空気を調整する「エアコンディショニング=air conditioning=略してエアコン」ですが、空気は目に見えないのでわかりにくいので、水槽で例えてみるとイメージしやすいかと思います。
断熱・気密性能が悪い家は、穴のあいた水槽のようもので、いくら温めたお湯を継ぎ足してもどんどんこぼれていきますので、いっこうに温まりません。
「まず穴を塞いで、ガラスを厚くしたり、発泡スチロールのようなもので包んであげれば良さそうだな~」と想像できると思います。穴を塞ぐのが「気密」、発泡スチロールのようなもので包むのが「断熱」です。
住宅も同じく、「雨漏り」「水漏れ」は気が付けばすぐに直そうと思いますが、目に見えない「熱漏れ」はピンッとこないので放置してしまいがちです。
また、エアコンは水槽の水全体を電熱ヒーターで温める西洋的な暖炉や薪ストーブで「全館空調」的な空間を温める方式なのに対して、古来の日本はコタツやストーブ、火鉢など自分の周りだけ暖める「局所暖房」で暖をとっていたので、「我慢すれば良い、厚着すれば良い」となりがちです。
局所暖房は水中の魚に、直接お湯を掛けるようなイメージです。更に石油を燃やすと身体に害のある排気を垂れ流すことになりますので、水槽の水はどんどん汚れていきます。
どちらのお魚が健康的かイメージできると思います。
コストも大事ですが、寒い家で健康を害しては元も子もありません。
②適切なエアコン選び
■ 100Vのエアコンと、200Vのエアコンの違い
エアコンは各メーカーからさまざまな機種が販売されていますが、大きく分けると100Vと200Vのエアコンがあります。部屋の大きさや間取りに合ったエアコンを選ぶ上で、両者の違いをはっきりさせておきましょう。
■ 200Vは、100Vに比べて電気を押し出す力が2倍
エアコンをはじめとする電化製品には、200Vと100Vの機種があります。以前は100Vが主流でしたが、近年は200Vに対応する機種が増えてきました。多くの電気を使う工場や商業施設などでは200Vが一般的です。
V(ボルト)とは、電気を押し出す力(電圧)を表します。200Vのエアコンは100Vのエアコンに比べて電圧が2倍のため、部屋を暖める(冷やす)力もパワフルです。単純に言えば、100Vで6分かかる場合、200Vはその半分の3分で済むでしょう。
■ 200Vのエアコンは電気代も2倍に?
電気代は、1時間あたりの消費電力※(kW)×使用時間(時間)×料金単価(円/kWh)で計算します。電圧が100Vから200Vになったからといって、電気代が単純に2倍になるわけではありません。
※消費電力の計算式:消費電力(W)= 電圧(V)× 電流(A)
エアコンは稼働開始から設定温度に到達するまでに最も電力を消費します。200Vのエアコンは部屋の温度をスピーディーに調節できるため、部屋の広さや建物の構造によっては、100Vのエアコンよりも電気代がわずかに安くなる可能性があるでしょう。
■ コンセントの形状が違う
100Vの電化製品に200Vの電圧を供給した場合、電圧が強すぎて破損する恐れがあります。プラグやコンセントを同じ形状にすると、電源の挿し間違えによる事故が多発するため、200Vと100Vをあえて区別しているのです。
200Vのエアコンを使うときは、200Vのコンセントが自宅に設置されているかどうかを確かめましょう。100Vのコンセントは基本的に穴が2つですが、200Vは3つです。アンペア数(15A・20A)によっても穴の形状が変わります。

100V(15A):縦長の穴が2つ
100V(20A):縦長の穴が1つ・L字型またはT字型の穴が1つ
200V(15A):縦長の穴が2つ・半月型の穴が1つ
200V(20A):縦長の穴が1つ・L字型の穴が1つ・半月型の穴が1つ
■ 配線方式が単相3線になっているかの確認
200Vは「単相」と「三相」の2種類あります。
単相200Vは家庭用で、三相200V(いわゆる動力)は工場用になります。
一般家庭の大型家電(IHコンロ、エアコン)など主に2線で供給される「単相200V」です。(三相200Vは工場や店舗の産業機器・大容量エアコンで3線を使用します。いわゆる動力と呼ばれてます。)
1990年代~2000年代の比較的、新しいお宅ではほとんど「単相3線式」ですが、稀に古いお家ではなっていない場合(単相2線式)がありますので注意が必要です。
現代のほとんどの家庭は「単相3線式」で電柱から宅内に引き込まれ、分電盤で切り替えて100Vも200Vも使えるようになっています。
2本の電圧線と1本の中性線を利用した配線方式です。200Vのエアコンは、分電盤に引かれている配線が単相3線式でなければ使えません。
ブレーカーに、赤(電圧線)・白(中性線)・黒(電圧線)の3本が接続されていれば単相3線式ですが、2本しかない場合は単相2線式です。

「単相3線式だが、200Vのコンセントがない」という家では、簡単な屋内配線工事によって200Vのエアコンが使用できるようになります。
一方、単相2線式の場合は単相3線式への改修工事が必要です。(電力会社に電柱から工事をしてもらう必要があります。)
■ エアコンの畳数えらび
畳数の目安を見てエアコンを選んだのに、パワーが足りないと感じた経験はありませんか?
畳数の目安に「暖房6~7畳」の記載があった場合、多くの方は「6~7畳の部屋に対応するエアコン」と勘違いしがちです。
メーカーでは「木造平屋南向き(和室)なら6畳」「鉄筋アパート南向き中間階(洋室)なら7畳」という意味で表記しているため、くれぐれも読み違えないようにしましょう。鉄筋住宅は木造住宅よりも気密性が高く、冷暖房効率がよい傾向があります。
以前、エアコンの畳数について記事にしたことがありましたので、そちらをご参照ください。
ただ、やみくもにエアコンの性能を大きくするだけで、熱漏れを止めなければ、穴のあいた水槽にお湯を注いでいるようなものです。
断熱リフォームと一緒にする必要があります。
③ 断熱リフォームが必要かどうかは、建てられた年代を参考に。
断熱リフォームが必要かどうか?を考える上で、ご自宅の断熱性能を知る必要があります。
設計図が残ってる場合は、容易に判断できますが無い場合は、建てられた年代で判断する方法があります。
建築基準法で「省エネ基準」が決められた年代、その後いくつか基準は改正されたので、建てられた年代を参考にすることができます。

等級1と呼ばれる、昭和55年以前は基準がありませんので「無断熱」と考えても差支えないと思います。(断熱材が入っていない、または極めて断熱性能が低い。壁に土を塗る和風建築の土壁は無断熱扱いになります。)
等級2(昭和55年)~等級3(平成4年)の間の住宅は、UA値という断熱の数値化が明確にされていないので、当時の大工さんやハウスメーカーの裁量に任されているのでケースバイケースですが、寒い新潟の冬をエアコン暖房で過ごすには、窓の断熱リフォームだけでは心許ないと思われます。
ちなみに、私の自宅は平成12年(西暦2000年)頃なので、等級は4に該当し壁には断熱材が入ってるには入っていますが薄く性能も低く、窓もペアガラスが出始めの頃で性能は良くなくて、1階だけペアガラス、2階はシングルガラスとチグハグな断熱の考え方をしていたので、我が家は窓の断熱改修だけでは、期待以下の結果と思われます。
④ エリア断熱(ゾーン断熱)とは?
平成4年以前の住宅では、窓の断熱リフォームの他に、壁や床の断熱も必要になってくると思われますが、新築のように家全体を断熱するには、引っ越しなどの手間と大きな費用と数か月の工期が必要になります。
そこでリフォームの場合は、リビングや寝室など部屋ごと(または、階ごと)にエリアを分けて断熱リフォームをする「エリア断熱(ゾーン断熱)リフォーム」という方法が向いています。

滞在時間の長いリビングや、室温の差が激しい風呂・トイレなどはヒートショックの予防として、その部屋だけを断熱する方法です。
また、家族が独立して1階だけしか使っていない場合は2階はそのままにして、1階だけを断熱します。
部屋ごとに断熱していくので、住みながら家具などを順番に移動しながら施工できます。
大切なのは断熱エリアをしっかり区分して考える必要があります。断熱エリアが途切れていると効果は発揮できません。(水槽を思い出してみてください。)
1階なら1階を断熱エリア(ひとつの水槽として)を分けて断熱リフォームするのがオススメです。
⑤エリア断熱(ゾーン断熱)リフォームってどんなことをするの?

エリア断熱(ゾーン断熱)の一例になりますが、LIXIL(リクシル)では、「ココエコ」と言う断熱リフォームに適した商品を開発しています。解体をせずに、窓と壁と床の断熱リフォームが可能な商品です。
リクシルの「ココエコ」とは?
窓は、「インプラス」という樹脂製の内窓。

壁は、「ウォールインプラス」という真空断熱という薄いけど高性能の断熱材が入った壁材で、既存の壁に接着剤(両面テープで仮止め)で貼って、壁紙で仕上げるだけです。

床は「フロアーインプラス」という、床用の真空断熱材を今のフローリングの上から貼って、その上に新しいフローリングを貼ります。
(1)窓の断熱リフォーム
まずは、窓の断熱リフォームが先決です。開口部(窓)から58%も熱漏れするからです。

リクシルでは「インプラス」という樹脂製の内窓があります。2026年も引き続き補助金を活用できるので、まずは窓の断熱リフォーム、その中でも内窓を取り付けることをオススメします。

(2)壁の断熱リフォーム「ウォール イン プラス」
壁の中に断熱が入っていない家では、窓だけの断熱リフォームではエアコン暖房では心許ないという状況も考えられます。
その場合は、「ウォールインプラス」のような既存の壁の上から貼れる、石こうボードと真空断熱材が一体化した厚さ24mm(旧製品は30mm)のパネルを接着剤(両面テープで仮止め)で貼ります。

既存の壁にウォールインプラスを貼付け、その上からクロスを貼るだけの簡単施工なので、 最短1日での断熱リフォームが可能となります。また工事にともなう騒音や粉じんもほとんど出ないので、 お施主さまは家の中でくつろぎながら、工事の完成を待つことができます。
<施工の流れ>
部屋条件:戸建2階、7畳、はき出し窓1箇所、腰窓1箇所
施工箇所:壁2面、天井ブローイング、インプラス
(3)床の断熱リフォーム「フロアーインプラス」
床の断熱も、壁同様に真空断熱が内蔵された厚さ15mmのパネルを床に敷き詰め、その上から新しいフローリングを貼ります。

フローリングの厚みも加わりますので、床が40mmほど上がってしまう為、室内ドアの交換などが必要な場合があります。
⑥ エリア断熱(ココエコ)で、どのくらいエアコンの効きが良くなるの?
「ココエコ」で部屋の断熱性が高まるので、外から熱気が入りにくくなり、 エアコンの効きが良くなります。
断熱というと夏場は逆に暑くなるのでは?と思うかもしれませんが、冷房実験によると、リフォーム前に比べてリフォーム後では、同じエアコン設定で室温が 2.5℃も下がりました。
エアコンの設定温度を2~3℃上げても快適に過ごせます。また、断熱効果によって、 冷房を止めた後も涼しさが長持ちします。もちろん、冬場の暖房効率も良くなり、 年間を通して部屋の快適な温度を保ちます。
注1)掲載データは、一定の仕様・条件下での測定の一部であり、住宅の仕様・生活スタイル・立地条件・ 測定条件等によっては異なったデータとなる場合があります。
エアコンの効率がよくなることで、冷暖房の使用を抑えて電気の使用量を削減します。
「ココエコ」で断熱リフォームした部屋を対象に、年間の冷暖房費が最大で約30%ダウン、14,010 円の節約になる試算です。

注2)「ココエコ」で断熱リフォームした部屋が対象です。注3)熱付加計算プログラム「SMASH」((財)建築環境省エネルギー機構)を用いて、 リビングにおける年間冷暖房削減効果を算出 (諸条件は、Web( http://tostem.lixil.co.jp/lineup/kouhou/cocoeco/function/f_02.htm )にて公開)
(補足)夏場の消費電力量 削減効果

エアコン運転開始後1.5時間の限定的な消費電力量の測定データの比較ですが、 リフォーム後の試験条件の方が元の室温が約2℃高いという条件にも関わらず、 約24℃まで下げる時間は変わらず、さらに消費電力量も低い結果となりました。
注4)測定物件:埼玉県A邸、測定期間:改修前 2011年7月27日・ 改修後2011年8月28日、エアコン運転時間/外気温推移:改修前 11:00~12:30/28.0℃→28.5℃・改修後 11:30~13:00/27.8℃→29.0℃
あくまで、リクシルの「ココエコ」を例にして説明しましたが、他にも似たような断熱材、断熱パネル材がありますので、上手に組み合わせてエリア断熱(ゾーン断熱)をして、エアコン暖房に切り替えるのはいかがでしょう。
リフォームの場合、新築とは違って個々に条件が違いますので、一概には言えませんが、国の補助金を使って窓の断熱リフォームから始めていただくことをオススメします。窓を断熱化するとその効果を実感できると思います。
昭和55年以前はもとより、昭和55年~平成4年の間に建てられた住宅は、窓の断熱リフォームの他に、壁や床などの断熱リフォームを一緒にされないと、エアコン暖房だけでは厳しいと思われます。
平成4年~平成28年までの間の住宅は、ケースバイケースですので専門家にご相談されるのが良いと思います。
個人的な記憶ですが、自宅を建てた平成12年(西暦2000年)頃はまだ、「高断熱高気密住宅は家が腐る!身体に良くない!」という間違った考えを持っていた業界の人も多く、2010年頃まで大工さんやハウスメーカーの見解に差があったように思います。なので、ざっくり2010年以降の住宅であれば、窓断熱リフォームだけでエアコン暖房で過ごせると思われます。
新潟県 県央地区で、エリア断熱リフォームについてのご相談は「ユキハウス」まで

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