空き家問題、実家どうしましょう?(2025年版)

年明けから「実家が空き家になってしまい困ってるんだけど、どうしたらいいだろう?」と言うお悩みを、いくつかいただきました。

我が家も、実家は両親二人暮らしでして、今のところお陰さまで二人とも健康ですが、なにせ高齢ですのでいつどうなるかはわかりません。
わたしも自宅と実家とありますので将来的には同じ悩みを待っております。

選択肢としては、「住む・貸す・売る」の3択。

「実家が空き家になったらどうしますか?」…ある調査でのアンケート結果になります。

実家アンケート

「住む・貸す・売る」の3つを順番に考えていきたいと思います。

住む
子供の頃から住んでいたお家なので、できれば残したいと思うのが情。空き家にすると家の傷みが早いですので、期間を開けずにご本人やご家族・ご親戚などで住んでくれる方がいれば良いのですが、なかなか丁度良い方が居ないのでお悩みになってると思います。

事業の経営者で従業員がいれば、会社名義・経費として福利厚生としてご親族や友人などでワイワイ楽しめる保養目的なゲストルームや、研修会議室やレクリエーションスペースなどに活用できれば、それも一考かも知れませんが、個人で所有するには使用頻度の割に、光熱費の基本料金は掛かりますし、固定資産税や町内会費などそれなりの維持費が掛かります。修繕メンテナンスなども考えますと一軒家を維持するには、それなりの経済力が必要です。

更に、初期費用としてリフォームが必要になるかと思います。

貸す
貸す方法は、大きく2つ。

① 家をリフォームして貸家にするか?
② 解体して更地にして土地活用するか?

貸す場合も、借り手に合わせたリフォームが必要になります。

住む・貸すときのリフォームの種類と重要度には、大きくわけて3つあります。

(最重要)修繕リフォーム…雨漏りや外壁の劣化、耐震など主要構造に関わるリフォーム。車で言えば、エンジンやブレーキなどにあたります。耐震診断や住宅診断(ホームインスペクション)をしてもらい、全体の修繕必要範囲とその費用の把握。
リフォーム優先順位を決めて計画を立てることが大切です。

(重要)性能向上リフォーム…トイレやキッチン、お風呂などの水まわりの性能向上はもちろんですが、断熱(窓に内窓をつける等)や換気、バリアフリーなど建物の性能を向上させるリフォームもポイントになります。車で言えば、衝突軽減ブレーキや各オイル交換や古いナビ・壊れたエアコンなどの装備の交換にあたります。畳をフローリングにする際に断熱材を入れるというひと手間で全然住みやすさ、快適さが違ってきます。

(一緒に)美観リフォーム…一般的にはリフォームと言えば、壁紙を張り替えるなどを思い浮かべると思いますが、外壁や屋根の塗装、壁紙の貼替えや畳の入れ替えなど、見た目重視・お化粧直しのリフォームは一時的なものです。車で言えば、外装塗装やコーティング、車内クリーニングなどにあたります。
例えば、修繕リフォームの時に、外壁塗装でなく外壁張替えにして、その時に一緒に断熱材を入れるとか、室内の壁紙貼替えだけでなく、壁や天井の下地を剥がして断熱材を入れてから壁紙の貼替えをするなど、性能向上リフォームと合わせて行うことがコツになります。

余談ですが、最近の流行りとして『DIY賃貸』ってのがあるそうです。マンションとか公団住宅などが多いようですが、退室時に原状回復が不要な契約です。

入居者、自らリフォ-ムできる契約方法のことで、空き家を現状のまま貸し出せるため初期費用を抑えられるのがメリットなのだそうです。
借り手は自分好みの家をつくれるため、幅広いユーザーに検討してもらえる可能性があります。

つまり、貸す場合は、リフォームを借り手側に委ねるという方法もあると思います。

●更地にするべきかの判断基準

家を残すか?解体して更地にするか?の判断基準として、ご実家が建てられた年に関係があります。

実家を建築したのが1981年(昭和56年)5月31日以前か? 以降か?」が大きな判断基準になります。

耐震基準

この昭和56年(1981年)6月を境に建築基準法が変わって、ある程度の耐震性能(新耐震基準)を確保できてるか否かを当時の確認申請書でチェックされてるので証明・確認ができるのです。
各種リフォーム補助金や、リフォーム・ローンなどの借り入れにも、この「昭和56年(1981年)6月以降の建物」というのが条件になっていたりします。


駅前や商店街、大きな幹線道路に面してる、観光地など好立地であったり、歴史的、建築物的に価値のある古民家として活用できるのであれば、昭和56年以前の建物でも耐震リフォームをして再活用できるでしょうが、そうでない限り解体して更地にして駐車場などの土地活用を考えた方が良いと思います。

土地活用
土地活用としては、コインパーキング・月極駐車場・貸しガレージ・レンタルボックス・新築アパート経営・コインランドリーなどがあるようです。

土地活用

売る
住む・貸すが困難な場合は売却という選択になってしまいます。その場合はスピードが求められます。具体的には相続後3年以内です。

相続後3年以内であれば3,000万円まで譲渡所得の特別控除を受けられるのです。

●空き家を放置した場合のリスク
一番のリスクは空き家にしたまま放置することです。
空き家にしておいても、固定資産税と都市計画税を払い続けることになります。

「更地にすると、税金が6倍?!に跳ね上がる!!」

実は、建物が建っている土地には「住宅用地の軽減措置特例」というのがあって、両方の税が軽減されていますが、建物を解体して更地にしてしまうと固定資産税は最大6倍、都市計画税は最大3倍高くなってしまいます。(実際にはもっと複雑な計算なので、実質3~4倍になる試算があります。)

特例

ただ、近年は「この仕組みが空き家を生む原因になっている!」と言うことで社会問題となり、2015年に『空家等対策の推進に関する特別措置法』が施行され、特定空き家(危険な状態に放置されてる空き家など)に該当した建物は、土地の固定資産税の軽減措置の対象から外れるようになります。行政機関から代執行で解体され費用請求や罰金なども発生する恐れがあります。

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つまり、空き家を放置しておくことはリスクしかありません。

●売却方法
売却方法は下記の方法があります。

・不動産仲介業者に依頼して売却する
・専門の買取業者に売却する
・隣地所有者などに売却をもちかける
・空き家バンクに登録する・無償譲渡する
・相続放棄を行う
・自治体に寄付する(諸条件あり)
・国に返還する(諸条件あり)

不動産屋さんに、売ってもらうには「媒介(ばいかい)契約」が必要になります。媒介契約には、「一般媒介契約」「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」の3種類があります。売主が、売却の仲介を不動産会社に依頼する際、3種類のなかから自分に合った媒介契約を選択します。

項目一般媒介契約専任媒介契約専属専任媒介契約
自己発見取引できるできるできない
不動産会社との媒介契約複数可1社のみ1社のみ
契約の有効期間指定なし最長3か月最長3か月
レインズ(指定流通機構)への登録任意媒介契約締結日の翌日から7営業日以内媒介契約締結日の翌日から5営業日以内
業務の報告義務任意2週間に1回以上1週間に1回以上

また、最近は行政と民間不動産会社やNPO法人などが協力して「空き家・空き地バンク」という仕組みがあります。

ただ、サイトを見ていただくとわかると思いますが、お値段は安いものも多いのですが、築年数が50年以上経ってる物件なども多く、買い手がなかなか付きそうにない物件が多いように見受けられます。

『空家等対策の推進に関する特別措置法』が制定されて、行政を手助けする建築に詳しいNPO法人や社団法人と行政がタッグを組んで空き家対策に挑んでいる市町村も増えています。

民間の中古住宅買取(リフォームして再販)業者は、当然営利が目的ですので驚くほどに低い買い取り額になるとよく耳にします。築年数別の中古住宅の価値変動は下記のようになるそうです。

中古住宅査定

●寄付
土地が売れない場合は寄付したいということになると思いますが、寄付をする場合は4つの受け入れ先が考えられます。ただし、建物は寄付できず、土地のみになるそうです。

・自治体に寄付する
・認可地縁団体に寄付する
・個人に寄付(譲渡)する
・法人に寄付(譲渡)する

…という方法がありますが、いずれも難易度が高くほとんど受け入れてもらえる可能性は低いそうです。

相続放棄するには期限があります!(3ヶ月以内)
住む・貸す・売る(寄付する)を検討した上で、やっぱり「相続放棄しよう!」となった場合ですが、、、

相続放棄できる期限がたった3ヶ月なのです。

「自己のために相続の開始があったことを知った時から、3ヶ月以内」に家庭裁判所へ書類提出する必要があります。

相続放棄した後は、更に「相続財産清算人」を選任して最終的には国庫に帰属させることになります。

国に帰属するには、家庭裁判所に相続財産清算人の選任申立てを行い、遺産の内容を調査し債務があれば遺産から返済し、残った財産を国庫に帰属させるそうです。

ただし、相続財産清算人の選任申立てをする場合、裁判所に手続の費用として数十万円以上を納めないといけないケースが多く、かなりの金銭的な負担があります。

まとめ(急ぐ必要のある順)
検討したい順番で説明させていただきましたが、期限があるので逆算的に急ぐ必要のある順と、相談先についてまとめます。

①相続放棄は3ヶ月以内。(弁護士さんや司法書士さんに相談)

②売却するなら3年以内。(不動産屋さん、行政と非営利団体・空き家バンク等の行政窓口に相談)

③住むか、貸すか、いずれにせよ修繕リフォーム・機能向上リフォーム・美観リフォームなどが必要。(リフォーム屋さん、貸すには不動産屋さんに相談)

大前提として、昭和56年(1981年)6月以前か、以降かが建物を残すか、活用するかの大きな判断基準になります。

以前なら耐震改修や大規模リフォームが必要になり大きな費用が掛かります。

⚫︎住宅診断
リフォームには、耐震診断や住宅診断(ホームインスペクション)など、まずは建築の専門家からみてもらい、診断してもらいましょう。

診断は基本的に有料ですが、耐震診断は市町村が9割助成してくれて1万円ほどの自己負担で出来たりしますし、
住宅診断(ホームインスペクション)は、有資格者による認定のとれる診断もあります(5~8万円くらい)が、きちんと実績のあるリフォーム店に『見積り依頼』と言う形で、家全体をチェックしてもらいリフォーム提案をしてもらうことで無料で頼めるところも多いです。

建築は分業制なので、板金屋さんは鈑金、塗装屋さんは塗装、左官屋さんは左官、設備屋さんは設備、電気屋さんは電気の専門なので、自分の分野については得意ですが、家全体のことになりますと、昔は大工さん(棟梁)ってことになりますが、今はハウスメーカー全盛で、大工さんも木工事だけを担当する分業になり、新築は得意だけどリフォームの経験はあまりないという大工さんも多いと思います。

そこで適任となるのはリフォーム会社の設計・施工管理、いわゆる「現場監督さん」という総合的に建築・リフォームをわかってる人が必要になってきます。

ご実家が空き家に…「住む・貸す・売る」の判断基準として、まずは信頼できそうな地元のリフォーム屋さんに無料相談されてはいかがでしょうか。

尚、選ばれるリフォーム屋さんは、水廻り(給湯器や便器など)交換などを主にしているところでなく、断熱リフォームやリノベーションという家全体をリフォームしてるところが良いです。

かと言って、大手リフォーム会社だから安心ではありません。リフォームは担当者の力量に左右されますので、なるべく地元で実績のあるところで、親身になって相談にのってくれる人を見つけるって言うのがポイントです。

新潟県 県央地区で、ご実家・空き家についてのご相談は「ユキハウス」まで

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