車庫1階をLDKにするリフォーム (その2) キッチン編

今回の車庫1階をLDK(リビング・ダイニング・キッチン)にするリフォーム事例報告の第二段は、キッチンについてお伝えします。

今回のリフォームの要と言いますか、メインと言いますか、クライマックス! 一番の見せ所・こだわり処になるのがキッチンになるかと思います。

既存のミニキッチンの給排水配管やガス配管の位置を変更するだけで、基本的にそのまま利用して費用を抑え、その分を新しいキッチンに充てたい作戦です。

システムキッチン選びは4つ。

1.レイアウトを選ぶ

2.サイズを探す

3.機能性を考える

4.デザインを決める

1.キッチンのレイアウトを選ぶ

まず、キッチンのレイアウトは大きく分けて5種類あります。

キッチンレイアウト

① I型の対面…リビングやダイニングのご家族と会話しながら料理できます。
デメリットは、壁付けに比べ大きなスペースが必要です。LDKワンルームなら対面式がお勧めです。

② I型の壁付け(背面)…冷蔵庫と食器棚の配置が良ければ、キッチンスペースが少なくすむ。デメリットはリビングなどに背を向けて調理することになりますが、日本の台どころでは最もスタンダードなレイアウトです。

③ Ⅱ型…くるりと振り向きながら調理します。シンクとコンロ部分が別々になるのでキッチンの幅が少なく済みます。イラストとは違いますが、普通のキッチン(シンク+コンロ)にして、背面側を作業台にするⅡ型も考えられます。

④ L型…I型の次に多いレイアウトと思います。意外と作業性は高くて、お部屋の入口位置や、キッチンを置く向きや広さなどに拠ると思われます。

⑤ U型…Ⅱ型とL型を組み合わせたレイアウトです。カウンター部分を作ったお料理を並べたり、作業台として使えるので、パンをこねたり、肉を叩いたりするお料理好きの方に向いてるように思います。

このイラストに付け加えますと、①のI型(対面)のキッチンに分類されると思いますが、造作の腰壁やカウンターをつくる場合と、キッチン自体が島のように独立した「アイランド」キッチンもあります。

アイランドキッチン

LDKの形を総合的に考える

キッチンのレイアウトを考えるうえで重要なのが、リビング・ダイニングの間取りもふまえて総合的に考えること。家事動線や生活スタイル、家族構成など、さまざまなポイントがあります。
ここでは、代表的なキッチンレイアウトをいくつかご紹介します。

2.サイズを探す

快適なキッチンで効率よく料理をするために、自分にピッタリのサイズのキッチンを選ぶことも大切です。

今あるキッチンのさまざまなサイズを測ってみましょう。一口に「サイズ」といっても、現状を知るうえで測るべき場所はたくさんあります。

適切なタイプ・サイズを知る

現状を知ったら、困っていること・改善したいことを考えましょう。システムキッチンのタイプによって、形だけでなくサイズ感が異なるため、はじめに検討すると良いでしょう。
I型の一般的な間口は255cm・奥行65cm・高さ85cmですが、「使いやすい」形とサイズの範囲選びに、下図を参考にしてみてください。

間口・奥行

  • I型A:180~300cm
    B:65・60cm
  • L型A:シンク側/180~270cm
    B:コンロ側/165・180cm
    C:65・60cm
  • 対面型A:壁付けタイプ/240~300cm
    アイランドタイプ/
    195~270cm
    B:98・80cm

高さ

160cmの方であれば、160÷2=80cm+5センチ=85cmとなります。
現在は身長が高くなったこともありますが、腰を曲げて作業しなくて良いように高めにして、腰の負担を軽減する設計になっています。

吊戸棚までの高さ

既製品の吊戸棚はだいたい4種。 一般的なのは70cmです。

吊戸棚の高さ

天井の高さが230cmだとすると、70cmの吊戸棚の下端は160cmくらいになりますので身長と同じくらいになるイメージです。

常時使いたい場合は、90cmの吊戸棚であれば、一番下の段だけ見ながら取り出しが可能と思います。(ただ、頭が当たる可能性あり)

今のシステムキッチンはシンクの収納力も上がってきてますので、敢えて吊戸棚を付けない方も多いように感じます。

3.機能性を考える

(1)天板(ワークトップ)の素材

ワークトップに求められる機能

ワークトップには、「見た目」と「機能性」が求められています。下記で重視したい機能はどれになるでしょうか。優先順位をつけてみましょう。

・耐熱性
「熱」に強い素材を選ぶ

・耐汚性
衛生面に配慮した、汚れにくい素材を選ぶ

・メンテナンス性
掃除がしやすい素材を選ぶ

・耐久性
劣化・サビがつきにくい素材を選ぶ

・耐衝撃性
強度のある素材を選ぶ

・インテリア性
おしゃれでデザイン性のある素材を選ぶ

ご自身が求める機能の優先順位をつけることはできたでしょうか。ご自身で決めた優先順位を念頭においてワークトップの素材を選べば、時間をかけることなく、目的にあったワークトップにすることができるでしょう。

素材を選ぶ

主に使われるワークトップの素材とその性能について表にまとめました。
ワークトップに用いられる素材は、他にもありますが主に8種類です。

・ステンレス
・セラミック
・人工大理石
・メラミン
・タイル
・ウッド(木)
・天然石
・人工水晶石

ワークトップ素材早見表

耐熱性耐汚性メンテナンス性耐久性耐衝撃性インテリア性価格
ステンレス安価
セラミック高価
人工大理石やや高価
メラミン安価
タイルタイル単価による
ウッド(木)×××比較的安価
天然石非常に高価
人工水晶石高価

最もポピュラーなのはステンレスか、人工大理石です。耐熱性や耐久性を優先するならステンレス。インテリア性を重視するなら人工大理石が良いかと思います。

10年前くらいまでは圧倒的に人工大理石が流行っていましたが、最近はステンレスを選ばれる方が多いように感じます。人工大理石は焦がしたり、カレーの色が染みたり、フライパンを落として欠けてしまったり、使用には少し注意が必要です。

(2)コンロの種類

まず、ガスコンロ(都市ガス又は、プロパンガス)か、電気のIHコンロの2種類があります。

オール電化住宅(お風呂もエコキュートで電気でお湯を沸かす)であれば、IHコンロになりますし、火災が心配でガスコンロから電気のIHコンロにしたい場合は単相200Vの電気工事が必要になってきます。

ビルトインガスコンロを選ぶ際のポイント

バーナーの数について
2口と3口のビルトインガスコンロ

ビルトインコンロのバーナーの口数は、2口と3口からお選びいただけます。

コンロのシリーズは2口と3口でそれぞれ別になりますので、使用状況や機能などを考慮して、どちらの口数にするか決めてからシリーズを選ぶといった流れがおすすめです。

ビルトインコンロの価格は天板の種類や機能などによって大幅に異なりますので、2口だから安いとは言えず、3つ口が低価格となる場合もあります。

天板(トッププレート)について
・天板のサイズ
60cmと75cmの天板

ビルトインコンロの天板は、60cmと75cmのサイズがございます。現在は75cmが主流です。

ただし、本体のサイズは変わらないため、お好みのサイズからお選びいただけます。

天板サイズは調理スペースの広さに影響しますので、もともとのキッチンの広さを基準に決定することをおすすめいたします。法律上でレンジフード(換気扇)の幅がコンロ天板より広くないといけません。

・天板の種類

ビルトインコンロの天板は、ガラストップ、ガラスコート、ホーロー、フッ素コート、アルミトップ、ステンレスなどがございます。

ガラストップ


ガラストップ天板

見た目が美しく高強度で、人気かつ現在主流となっている天板です。

耐久性や掃除のしやすさに優れており、ミドルグレードからハイグレードの商品まで様々なシリーズで幅広く採用されています。

稀にですが、ガラスのため一点に集中するような強い衝撃によってガラストップが割れる場合があります。

ガラスコート

ガラスコート天板

強化ホーローにガラスコーティングが加えられています。ガラス天板のような美しいツヤと輝きを持ち、掃除もしやすくなっています。カラーコーティングも施されているためカラーバリエーションが豊富です。

ホーロー

ホーロー天板

ホーロー耐久性には優れていますが、塗装が弱く傷がついた箇所から錆が発生することがあります。長期使用で塗装が剥がれることがあります。

ただ、安価なモデルを選ぶならホーロー天板となる場合がほとんどです。

アルミトップ

アルミトップ天板

アルミは熱伝導率の高い金属で、また熱の分散も早いという特徴があります。汚れの焼き付きやこびりつきが起きにくいため、お手入れがしやすくなっています。

アルミは比較的柔らかいため、お手入れの際に硬い物で強くこすると傷がつきやすいと言えます。ガラスの光沢よりもマットな質感が好みの方におすすめです。

ステンレストップ

ステンレス天板

元々厨房などで業務用として使用されていた本格タイプで、重厚感のある質感と錆や衝撃への強さが特徴です。ただし、小傷が付きやすいですが、それも魅力の一つとなる素材でしょう。

グリルの機能について

無水両面焼きと片面焼きグリルの違い

グリルは「両面焼きグリル」と「片面焼きグリル」がございます。現在、ほとんどの機種は両面焼きタイプです。

両面焼きなら食材を上下のバーナーで加熱するため焼きムラができにくく、調理時間が大幅に短縮されます。

片面焼きと違ってグリル使用中に食材をひっくり返す必要もありません。

主流の水無しタイプはコンロの受け皿に水を入れずに使用できますので、グリル使用後のお手入れも簡単です。

(3)レンジフード(換気扇)の種類

  • ブーツタイプ(深型)ブーツタイプ(深型)最もスタンダードなタイプのレンジフードです。戸建住宅やマンションにも多く取り付けられています。シロッコファンとフィルターの掃除が必要です。
  • マントルタイプマントルタイプ大きな屋根型のフードが特徴の「マントルタイプ」です。直線的なデザインや曲線を多く用いたデザインなどがあります。
  • スリムタイプスリムタイプ最近、人気の高いレンジフードが「スリムタイプ」です。「整流板」を用いて、四方から空気を吸い取る仕組みになっています。
    本体にフィルターがなく、お手入れが簡単なのも人気の理由です。

(4)シンク(流し)や、水栓の機能性

最新のキッチンシンクは、素材だけでなく排水設備にも各社の工夫が凝らされています。

シンクの大きさが選べます。魚釣りが好きな方が大きなシンクをご希望されるなんてこともあります。

シンクの大きさ

広いシンクを活かして、水切りカゴやプレートの小物が取付られるような多機能なシンクもあります。

プレート

リクシルの「くるりん排水口」

リクシルでは、それまでの掃除しやすい排水口から発想を転換し「汚れのつきにくい排水口」をめざして開発を開始しました。水が流れる度にうず水流を発生させることで、排水口周りを自動できれいに洗浄する「くるりん排水口」を開発しました。排水部のリングをなくして汚れがたまりにくくするなどの工夫も加えられており、シンクの形も使いやすいように改良されています。

くるりん排水口(リクシル)

くるりん排水口(リクシル)

TOTOの「水ほうき水栓」・「すべり台シンク」

また、TOTOでは長年水と向き合ってきた同社ならではの技術を生かして「水ほうき水栓」と「すべり台シンク」を開発しました。前者はシャワーヘッドの角度や穴の径を工夫することでシャワーの幅を広くし、洗いものに当たった水が横に広がることでこまめな節水を可能にしたもの、後者はシンクの底に3°の傾斜をつけることで野菜くずなどがスムーズに排水口へ流れていくようにしたもので、どちらも同社のシンクに採用されています。

水ほうき水栓とすべり台シンク(TOTO)

水ほうき水栓とすべり台シンク(TOTO)

またこの他にも、内蔵センサーで手やモノを感知して吐水と止水を自動で行い水の出しっぱなしを防止する機能や、汚れの付きにくいゴミカゴなどを採用しているものもあり、シンクを交換することで使い勝手のよさだけでなく節水や衛生面が向上するというメリットも期待できます。

(5)食洗機

食洗機を使ってる方に聞きますと「手放せなくなるよ」とお聞きしますが、実際に使ってみないと、なかなかわからないものです。

ビルトイン食洗機には、深型のディープタイプと、浅型のミドルタイプの2種類があります。ディープタイプの方が庫内容量が大きいのでよりたくさんの食器を収納できたり、大きなお鍋やフライパンを入れて洗うことができるため人気です。

一例として、パナソニックとリンナイの比較になります。

扉タイプスライドオープン
ディープタイプ(深型)ミドルタイプ(浅型)
商品
イメージ
ディープタイプ食洗機の商品例|扉タイプの種類・違いミドルタイプ食洗機の商品例|扉タイプの種類・違い
庫内容量パナソニック60Lリンナイ63Lパナソニック40Lリンナイ42L ※1
食器
収納点数
48点 約6人分ぎっしりカゴ
47点 約6人分
おかってカゴ
37点 約4人分
40点 約5人分ぎっしりカゴ
40点 約5人分 ※1
おかってカゴ
30点 約4人分
家族構成3~4人以上1~3人
庫内深さ
比較
※2
ディープタイプ食洗機の庫内深さは約34.5cmフライパンや、30cmを超える大皿がすっぽりと入ります。また、おたまや菜箸も立てて入れることができます。ミドルタイプ食洗機の庫内深さは約25cmフライパンや、30cmを超える大皿は入りません。おたまや菜箸は、横に寝かせて入れます。
庫内幅
比較
※2
ディープタイプ食洗機の幅は約38cm庫内の幅もディープタイプの方が広いため、食器収容点数も多くなります。ミドルタイプ食洗機の幅は約34cmディープタイプに比べ、約4cm幅が狭くなります。
食洗機の下ディープタイプ食洗機の下は収納を設置できませんディープタイプの場合、食洗機の下は給排水配管スペースで、基本は収納がありません。ミドルタイプ食洗機の下は収納を設置できますミドルタイプの場合、食洗機の下を収納スペースとして使うことができます。

4.デザインを決める

レイアウトとサイズが決まったら、次はデザイン。キッチンはお部屋の中でもかなりスペースをとるものですから、お部屋やインテリアの雰囲気とテイスト・色・素材などが合うかどうかが重要です。

収納部分は、開き扉でもスライド引き出しでも、木目や無地カラー、石目・タイル調などから選べます。光沢のあるものや、マットのものまで様々。

「う~ん…カタログ見ていても決められない!!」

ここまでお伝えしたことを踏まえて、最終的なデザイン決定はショールーム(無料です。)に行くことをオススメしております。

クリナップ ラクエラ

ショールームでは、今回お伝えした選ばなくてはいけない内容を、専属の方にアドバイスをいただきながら順番に決めていけますので1~2時間で決めることが出来ます。

今春、施工させていただいた『車庫1階をLDK(リビング・ダイニング・キッチン)にするリフォーム工事』では、クリナップとタカラスタンダードの2社に絞って、ショールームで決めていきました。

クリナップ ラクエラ

ショールームで決めた内容は、写真入りの一覧(ボード)にまとめてくれますし、この内容に基づいて見積をしてくれます。

実際に施工させていただいたのは、クリナップの大ヒットシリーズ「ラクエラ」。

1.レイアウトは、I型キッチン(対面)
2.間口255cm 吊戸棚なし
3.機能性
(1)天板(ワークトップ)は、ステンレス
(2)ガスコンロ 3口 ホーロートップ
(3)スリムタイプのレンジフード(換気扇)
(4)食洗機は最後まで迷われましたが、サービスで付けさせていただきました。
他、キッチンパネルを磁石が付くタイプにグレードアップもサービスさせていただきました。
4.扉デザインは木目で、お部屋の統一感も出ています。

対面式キッチン

対面キッチンのカウンター部分は造作テーブルを製作しました。作ったお料理もすぐにカウンターの上に並べられるので、後片付けも含めて動線は楽と思います。
造作テーブルは移動もできるのでホームパーティーなどの時には、リビングの方へ持って行くことも可能です。

造作キッチンカウンター

最終的にはシンプルで良いキッチン選びが出来たと思います。

個人的にヒットだったのは、サービスでワンランク上の磁石が付くキッチンパネルにしたこと。

壁のキッチンパネルに磁石が付きますので、ダイソーなどでも沢山の種類の小物がありますので、どんどん使いやすいようカスタマイズできると思います。

新潟県 県央地区で、LDKリフォーム・キッチンリフォームのご相談は「ユキハウス」まで

denwa yukihouse

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